びよー。
「ほわー、すごいねえ。 伸びるねえ」
「・・・・・・・・」
楽しそうに目をきらきらさせているとは反対に、リドルは険しい目をしている。
びよーん。
「わあ面白〜」
「・・・」
「なぁに?」
「いいふぁげんにしふぇくりぇないかな」
「・・・・ぶ。 言えてないよぉ、リドル」
はさらに楽しそうににやあ、と口元を上げる。
リドルはを少し睨むように見る。
が、頬を伸ばされた顔で睨まれてもまったく怖くない。
「いやあ〜伸びる〜か〜わ〜い〜い〜」
「いいふぁぎぇんに・・・」
「か〜わ〜い〜リドル〜」
「・・・・・・・・」
「こんなん出来るの私だけだよねえ。 あの、優秀端麗なリドルにこうやって・・・ ぷ」
「・・・・・いい加減にしてくれないかな」
びよ。
「いふゃ!ごみぇんごみぇ・・・!!」
「へえ、人の頬は結構伸びるんだね?」
「ごみぇ・・・!!!!」
今度はリドルが楽しそうに笑う。
はその手を引き剥がそうともがく。
しかしリドルはにこやかな笑顔のままびくともしない。
てゆーかつねる力強い、若干痛い。
「りどりゅ いふゃいって! ごみぇんって!」
必死でリドルの両腕を掴んで離そうとするを見てリドルはくすり、と笑う。
「面白いね、これ」
「りど・・・!!!」
「君も散々したじゃないか」
「そうりゃけど・・・ いふゃいよ」
「僕も痛かったんだよ」
そう言いつつも、リドルは手を離す。
は引っ張られた両頬を手で触りながら聞く。
「そうなの?」
「そうだよ」
「何にも言わなかったじゃない」
「が楽しそうだったからだよ」
「え、そうなの? 私のため?」
「後、喋れば喋るほど長引きそうだったしね」
「・・・なるほど」
は頬に手を当てたまま、呟く。
「愛されてるよねえ、私」
「・・・なにそれ」
リドルはソファに座りながら言う。
はしみじみとしたように一人で頷いている。
「愛されてるよねえ、私・・・ 」
「頬だけでそこまで考え込むものなの」
「いや、改めて思っ・・・ 、と」
は言葉を切らす。
変わりに、小さな吐息を漏らす。
「リドルって、こういうベタな感じの抱きしめかた好きだね」
「そう? 普通だと思うよ」
「いや、ほら 慣れてない日本人には刺激が強いというか」
「だいぶ慣れてるじゃないか」
「君のせいだけどね?」
ソファに座っているリドルのひざの上に乗せられたは、後ろから抱き着いてくるリドルに笑う。
リドルも笑って、の首元に頭を沈める。
は少し頭を傾けたまま、リドルに言う。
「リドル、後ろから抱きつくの好きだよね」
「うん。 前も好きだけど」
「それで、後ろからのとき絶対顔沈めるの」
「いい匂いがするんだよ。 柔らかいし」
「せくはらって言うんだよ、そういうの」
へえ、といいながら顔を相変わらず沈めたままのリドルにはまた笑う。
「あのリドルが、これから名前を呼ぶのさえ恐れられる人がこんなにベタベタなんて知れたら大変だよね」
「しか知らないよ」
「実は甘えたがりのヴォルデモート卿とか怖くないよね」
「・・・そうだね」
「うん、 っていうか何してるの?」
「え? ちょっと」
「ちょっと、じゃないでしょう せくはらめ」
首を沈めたままのリドルには一括する。
首元に、ぬるい感触が。
「ほら、さっきの頬つねりのやり返しの続き」
「なんでそれが入るの、さっきつねりかえしたじゃん」
「僕のプライド的なものが」
「捨ててしまえそんなプライド」
「いいじゃないか、いい雰囲気なんだから」
「3秒以内に止めないとアッパー喰らわすよ アッパー」
「それは嫌だね」
リドルが沈めていた顔を上げる。
リドルは少し不満そうに何か呟いてから、少し抱きしめる力を強めて小さく笑って息を漏らす。
はふ、と笑った。
愛し愛され、君が大好き!
「愛されてるよね、私」
「いまさら気づいたの? 遅いね」
「んー 知ってた。 リドルは愛されてるって知ってる?」
「僕も知ってる」
END
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ただいちゃいちゃしてるのが書きたかったんです・・・!
リドルは甘えたがりだと良いと思う。