「っくしょー」



イライラと呟くシリウスに、隣で本を読んでいたリーマスは呆れたようにシリウスを見る。


「何? また『あの子』に振られたの?」


チャレンジャーだね、とリーマスがそういうとシリウスは分が悪そうにリーマスを見る。



「振られたんじゃない!」


「・・・振られたって言うんだよ、君」
「いや、違う。 俺が、この俺が!」
「・・・ナルシストって言うんだよ、君」
「ナルシスト? 違う事実だ、グリフィンドールの貴公子といわれ王子と言われ、日々女子の憧れの頂点に立ってる俺が!」
「・・・ウザキャラって呼んでいい?」



リーマスが本気で覚めた目をしているのを気にも留めず、シリウスはイライラとため息を吐いた。


そんな友人を見て、リーマスは本の角で殴ろうかと一瞬思ったが シリウスの言い分にも一理ある、と思う。





確かにシリウスは、女子の憧れだろうし(恋人にしたいランキング連続一位だしね)、
彼が甘く声をかければ今までどんな子も落とせなかったことはない。

誰にでも声をかけるので、それこそ本物の いわゆるプレイボーイだが、この容姿では納得するを得ない。




そして、次にシリウスが目に付けたのが同じ寮の、同じ学年のある女子なのだが。

普段から、まあ可愛いのだがそう目立った感じはしない子なのだが つい先日のダンスパーティで、それは見事に美女に変身した。


それに目をつけたシリウスは、さっそくそのパーティで甘い言葉をかけたのだが。




彼女はシリウスに言い寄られ、暫く黙った後それこそ女神の微笑をした。

誰もが、またもシリウスの伝説にまた新しいページを増やした、と思った。



が、彼女は。




皆が思っていたのとは違う方法で伝説を残した。













「私、貴方みたいなタイプが 一番嫌いなの」













初めて振られたのがショックだったのか、
はたまた公衆の面前で罵られたのが腹に立ったのか、
それとも彼のプライドが傷ついたのか。


それからというものの、シリウスは他の女子に目など向けず それは熱心に誘いをかけていた。



普通ならもうとっくに折れているはずなのだが、彼女は相変わらず笑顔のまま断る。

女子からもねたまれそうなのだが、そんなことないらしい。




とりあえず、この友人シリウスは。




「・・・あの子のこと、好きなんじゃないの 君」





「? 何だって?」
「いや、別に。 自覚がないんだったらそれはそれで面白いし・・・」
「意味わかんないぞ」
「うん、まあ頑張れってことだよ。 ・・・と、噂をしたらあの子が居るよ」


ほら、と向こうのほうに目をやるとシリウスは条件反射のように彼女を見る。

そしてその場をたちリーマスにまた後でな、と言って彼女の元へ歩いていくシリウス。






そんな彼を見ながら、リーマスは思う。


「犬そっくりだよ・・・」



尻尾が見えてもおかしくない。

ていうか、絶対に、彼は。




「鈍感っていうかヘタレっていうか、・・・馬鹿だよね」




でもまあ傍観者としては暫く楽しいかな、とリーマスは微笑んだ。








貴公子と女
(気づくのはいつだろうねー)






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リーマス視点で シリウス→ヒロイン。 リーマスは黒く、シリウスは馬鹿だと思っております。