「ああー恋がしたい」


ばたり、と机に突っ伏しながらそいつは唸った。

したいしたい、と数回唸ってそいつはふうとため息をついた。

別にどう思おうが唸ろうが僕には関係ないのだが、目の前で唸られると正直良い気分ではない。

忘れるなここは図書室だ。


「らぶ、したいなあ・・・燃えるような」

「・・・・・・・・・・」

「何か反応ないの」

「・・・僕に対して言っていたのか?」

「そりゃ君この図書室には私とセブルスしかいないんだよ? 君に話さなくてどうするよ」

「てっきり独り言かと」

「そんな寂しい人間じゃないわよ」


いや、独り言だろと思いつつ面倒なのでそうかと返す。

まだそいつは不満そうに唸ったがため息をもう一度ついて顔を上げ、だるそうに肘を突いて途中まで書いたレポートをぼんやり眺めながら言った。


「でもほんとに、恋、したいなあ」

「なんだよいきなり。そもそも僕に言ってどうなる」

「言葉に出したいときもあるじゃない」

「そうか」

「それだけなの?」

「そうかとしか言いようが無いだろう」


冷たいやつめ、とそいつは呟いて僕を見た。

気にしないまま宿題を続けたが、あんまりにも見続けられると居心地が悪い。


「・・・・なんだ」

「セブルスは?」

「?」

「セブルスは恋したいとか思わないの?」

「・・・・思うって、・・別に?」


そう答えるとそいつは眉間にしわを寄せた。

えええ、健全な男子なのにかという呟きが聞こえた。とても大きなお世話だ。


「えー、セブルスらしいっちゃあらしい返事だけど」

「どんなだ」

「恋愛なんて興味ない、ってことじゃないの?」


今度は僕が眉間にしわを寄せる番だった。

なによ、と目の前のやつは言った。

僕は呟くように一言喋って、再び宿題を始めた。

ら、さっきより目の前のやつがうるさくなった。


「え、ちょっと、何、えええ、なにそれ!」

「うるさいぞ、お前。ここは図書室だ」

「あっ、・・・・・でもでも!」


目の前で若干声を小さくしつつも、そいつの声はずっと聞こえてきた。

この、鈍感馬鹿が。頭の中で目の前のやつに向かって呟いた。


僕だって恋くらいする
++++++++++++++++++++++++ セブルス夢を久しぶりに。 このタイトルを見たときにぽちーんとセブを思いついたんですよね 笑