俺は君のことが好きで、









「告白って、どうやったらいいの」

























「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  誰に?」







間が長かった理由は単純だ。



ただ単に、にも好きなやつが居たんだという驚きの所為で、

決して その相手って、もしかして 俺。

なんて、思ったわけではなく。



ただ単純に そう、驚いただけ。







いつもより真剣な顔で、少しはにかんでいて。

は、談話室で一人暇していた俺の所にやって来た。



何か用か、と聞くとは10秒くらいためらって 言った。





「告白って、どうすればいいの」













「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  誰に?」





はちょっと口をへの字に曲げて、俺の前のソファに座り込んだ。





「やり方だけ教えてくれれば良いの」



「・・・いや 方法教えてくれって言うんなら相手言えよ」

「やだ」

「なんでだよ」

「恥ずかしいから」

「・・・お前告白するんだろ」

「絶対断られるもん」





いかにも告白する前の女子の台詞らしい。

その絶対否定の志からどう告白するというのか。



聞きたいのは山々だが、教えてくれそうにもないので頭をかきながらに向き直る。





「えー・・・ それって年上?」

「 ・・・同い年」

「俺よく知ってる?」

「知ってる」

「・・・おとなしい? うるさい?」

「なんでそんなの聞くの?」

「性格によって告白の仕方変えたほうがいいんだよ」

「・・・おとなしいけどたまにうるさい? みたいな」

「ふーん。 格好いいのか?」





そう聞くと、は頬をさらに赤くした。

おおまさに恋の表情だな とか思っていると小さくがうん、と頷いた。





「お前そいつとは仲良いのかよ」

「良い、と 私は 思って・・・信じて、る」

「・・・ふーん」

「告白ってどうしたらいいの」

「普通に、本人に 好きです だろ」

「そんなの、無理」

「じゃあそれ以外に告白とか無いからお前」

「・・・・・・・だって」



無理、とは自信なさ気につぶやいた。



いつもあれだけ元気ながここまでなるとは、かなりの思い入れのようだ。

若干の周りの空気が桃色なので こっちまではがゆい。





「なんで俺に聞くんだよ そもそも」

「いや、良くも悪くも恋沙汰の噂が絶えないシリウスなら良い方法を知ってそうだなぁと・・・」

「誉めてんのかそれ」

「五分五分?」

「・・・・・・」

「ともかく、恥ずかしくない告白がしたいの」



言ってることがむちゃくちゃだ。

ていうかたぶんそれ無理。



とか言いたいが普段見せない表情を見せられては言いにくい。

せめて相手が分かればアドバイスもできるのだが。





「相手、教えろよ」

「やだ」

「じゃないとアドバイスもなんもないだろ」

「そうだけど・・・」





ぎゅう、と傍にあったクッションを抱きしめながらは口ごもる。

こんな恋する少女の表情もできるのか、と見つめていると



「なに」



とちょっと機嫌悪そうに言われたので、慌てて話題を変える。





「そいつって、同い年なんだよな」

「ん、そう」

「俺そいつと仲良い?」

「シリウスは仲良いね うん」

「んー  誰だよ」

「シリウスは?いないの? 好きな子」

「逃げるなよ」

「いないの?」





ちょっと黙って頭を掻いて、いいや 別にと答える。

するとは嘘でしょ、そう言って笑った。



さっきあの台詞で話しかけてきてから初めての笑顔。





「ねー 誰よー」

「お前が教えたら教えても良い」

「えー じゃあいい」

「いいのかよ」

「だってシリウスの恋愛に興味ないもーん」

「死ねよお前」





近くにあったクッションを投げつけたら、笑いながら返された。



しばらく投げ合っていると、がふいに言った。





「リーマス」



「は?」

「だから、 その ・・・私の好きな人」

「ああ、     ・・・・・・・・・・・嘘だろ」

「嘘言ってどうするのよ」

「・・・・・・・・・・・・・・へえ」

「何その無駄に長い間」

「いいや、別に。  へえ、リーマスなんだ」





実はね、とは言ってからちょっとクッションに顔をうずめた。





「でも きっと無理」



「なんでだよ」

「 前、シリウスと話してるの聞いた」

「何が?」

「好きな子、いるんでしょ リーマス」



でしょ?、とクッションからわずかに顔を出してがたずねた。



確かに、前好きな子がいるという話は聞いたが。

その好きな子が、俺の直感だと多分、いやきっと こいつなので。



つまりは両想いなので、





「・・・・・・・いやでもまあ、お前なら大丈夫だよ」





「なんで大丈夫なのよ ぅ・・・」

「大丈夫だって とりあえずすぱっと告白すればいいだろ」

「え、好きですって?」

「おう」

「やだやだやだ!無理! もし断られたら気まずい!」

「そんなん言ってたら何もできないだろ」

「そ、だけ ど」



「大丈夫だって 俺が機会作ってやるよ」





そういうと、しばらくクッションに頭をつけてんんん、とくぐもった声で悩む声が聞こえた。

そしてそのくぐもった声のまま バタービールおごる、と声がした。



「おう、ジョッキで三杯な」

「それ多すぎ」

「俺は別におごってもらわなくてもいいけど?」

「おごらせていいただきますよ・・・・!」



は顔を上げて少し黙ってから、言った。







「上手くいく様に、応援してね」









「・・・・・・・・・・・・・・ああ、まかせろ」



「なんでそんな間が長いの」

「いや、別に」





間が長かった理由は単純だ。



上手いこと機会が作れるかどうかのプレッシャーとか、

さっきから思ってたがこいつも乙女なんだなとかいう改めての驚きなんかじゃなく



ただ単に、俺がこいつを好きだったからであり。





今、それこそ音を立てて崩れてゆく俺の恋心を知ってか知らずか。





「ありがと シリウス」





そういって、は微笑んで。









俺は、君が好きで。

俺は、君の その笑顔が、




















END







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一度書いてみたかった片思われ夢。



普通、シリウスなら略奪ぐらい考えそうですが

相手が親友のリーマスなので、何もできないシリウスが好きです。

リーマスじゃなかったら絶対考えてそう。



正直言うと奪いたいけど奪えないし、

かといって悔しいといえば悔しい、みたいなもやもやした自分を情けなく思ってる。

・・・といいなと思います。(なんか酷い)





シリウスは恋愛沙汰は耐えないけど自分の本命の恋には不器用だと思うんですけど。

君はあいつのことが好きで、