貴方は私を好きなんかじゃないくせに。 「あ、なんだか」 「なに、私じゃ不満なの シリウス」 んなわけねーだろ、と言ってシリウスは寝転がってた芝生から体を起こす。 その隣にちょこんと私が座ると、何も言わずに私のひざに頭を乗せてきた。 「ちょ。」 「いーだろ別に。 昼寝邪魔したんだから」 「なにそれ」 そう言って私が笑うと、シリウスも笑った。 さらさらと風になびく髪に触れると、くすぐったそうに口元を緩めた。 そんな恋人らしいことをしていると、シリウスのファンたちは羨ましさが入った目で私を見る。 もうその目線には慣れてしまった。 「はいはいそこのお熱いお二人さん」 リーマスが笑いながらこっちにやってきた。 「なんだリーマス? 嫉妬か?」 「はいはい分かったよ。 たまたま目に入ったから来ただけだよ」 「堂々しすぎだよね、この人」 「髪撫でてる君が言ってもなあ」 そう笑って、リーマスはじゃ お邪魔は退散するけどねと笑った。 「あと10分で昼休みは終わりですからね、お二人さん」 「余計なお世話だよ」 「忠告ありがとー」 ばいばい、と手を振って去ったリーマスにシリウスは なんだあいつ、と笑った。 「お熱い二人だって」 「そう見えるんだな」 「まあ、人目も気にせず膝枕ですから? そうでしょーよ」 「だって嫌じゃないだろ?」 そう確信ぶった顔で笑うシリウスに何もいえないでいると、ほらみろ、とシリウスは言った。 悔しいからでこぴんすると私の大好きな笑顔をした。 羨ましい、 と何回言われたことか。 あのシリウス君の彼女で、羨ましい と。 その度に私は笑って流したけど ほんと、は 。 「10分寝るの?」 「あーそうだ 、 ・・」 シリウスの言葉が止まる。 目線の先は私じゃなくて 。 「あらやだ、お邪魔したかしら」 「んだよ リリー、邪魔だ邪魔」 「しっつれいねぇ。 私は友達のを誘いに来たんですー。 貴方には用は無いの」 「私? なぁに、リリー」 「次の授業一緒に行こうと思ったんだけど どうも私は駄目みたいね」 そういってリリーは笑う。 私はそんなことないよ、と言う。 シリウスはは俺と行くから駄目だ、と言う。 「お前こそジェームズがいるだろーよ」 「だってジェームズ次サボるとか言うんだもの」 「リリーが頼んだら授業出ると思うよー」 「そうかしら・・・ うん、頼んでみるわ。 じゃあね、 シリウス」 ばいばい、とリリー手を振る。 「お邪魔はこっちの台詞だよねぇ。 あそここそお熱い二人なのに」 「 ・・・・ 、」 シリウスは黙ったまま。 見つめているのは私じゃなくて。 あの子の背中。 「シーリウス」 「あ、 ごめん。 なんだって?」 「なんでもないよ。 10分寝るの?」 「うん、寝る。 いいだろ?」 「しょうがないなあ」 そう言って笑うと、シリウスも笑ってちょっと体を起こして私にふわり、キスをした。 「好きだ、 」 「うん、 私も 大好きだよ」 貴方は私を好きなんかじゃないくせに。 貴方は私の事を見てなんかいないのに。 私にあの人を被せないで、 私にあの人を着せないで、 私にあの人を求めないで。 その好きは私への好きじゃない。 貴方が見ている人は私じゃない。 シリウス君の彼女で羨ましい、 なんて 。 私は羨ましくなんか無い。 私は惨めな、 恋人のキグルミ被っただけの 、 。 あの人がいないから、貴方は私を傍に置くんでしょう? (でも私は好きなの、 ねえ。) END ++++++++++++++++++++++++ シリウス悲恋。 てゆかヒロインがすっご可哀想に・・・ シリウスが最低なヤツに・・・ すいません。 あるバンドのある曲がBGMでネタです。 大好き。 |