きすきだあいすき!

















「いいか、。絶対にお兄ちゃん達から離れるなよ?」



しゃがんでと目線を合わせたシリウスは、人差し指を立てて念を押すように言う。



「うん!」

「よーし、いい子だ



大きく頷いた少女に、シリウスは笑いながら頭をくしゃくしゃと撫でる。

、と呼ばれた少女は嬉しそうに立ち上がった兄を見上げる。



「ね、おにいちゃん、みんなは?」

「んん?もう皆来る頃・・・、ほら来た」



シリウスが指を指す方には、こちらへ向かって歩いて来る三人が。



「りりぃー!」

「まあ!大きくなったわねえ、相変わらず可愛いっ!」



ぎゅう、と駆け寄ってきたを抱き抱えて笑うリリー。

その隣にいたジェームズが声をかける。



「久しぶり、。元気だったかい?」

「うん!、げんき!」

「そっかそっか。は今年で何歳になるんだっけ?」

「ごさい!」

「大きくなったねえ、ほんとに」

「前見たときはまだ四歳になってなかったもんね」



しみじみとジェームズに相槌を打ちながら、未だリリーに抱かれているをリーマスが撫でる。

は嬉しそうにきゃっきゃと笑った。



「オイコラてめぇリーマス! 気安くに触るんじゃねえぞ!」



そんな様子を見て、リーマスを睨み付けながらシリウスは皆に混ざる。

手を離したリーマスは、やれやれといったように肩を上げた。



「まったく、こっちのシスコンも歳を増すごとに酷いね」

「全くだねリーマス」



リーマスの言葉に便乗して大きく頷くジェームズ。

シリウスは唸るように二人を睨んだ。



「なんだとお前ら」

「貴方達うるさいわ。 ねえ、?」

「みんな、けんか、だめ!」

「喧嘩してないよー、あの馬鹿が騒いでるだけだよ」

「んだとジェームズ」

「おにいちゃん!」

「・・・・・・・・ごめん」



十二歳も下の妹に叱られるシリウスを見て、ジェームズ達が笑う。

シリウスは些か不服そうな顔をしたが、リリーの腕から出てきて自分に抱き着いてきた妹を見て、だらしなく顔を緩ませる。



「さ、皆集まったことだし行きますか」



ジェームズがそう言って、皆頷いた。

















「・・で、ほら。あれが杖を売ってるオリバンダーの店だ」

「おり、おりばんだー?」

「そうだ。杖を買えるんだ」

もつえほしい!」

はもうちょっと大きくなってからだな」

「えー」



物欲しそうに店を眺めるを、シリウスは愛おしくてたまらないというように抱き上げる。



「杖はまだ買ってあげられないが、お菓子なら好きなだけ買ってやるぞ?」

「ほんと?」

「ああ、勿論だ。欲しいか?」

「ほしい!おにいちゃんだあいすき!」



ぎゅう、と抱きつく妹を大事そうに抱きしめるシリウス。

周りの三人はシリウスのデレデレっぷりに呆れたように笑った。



「つーことで、俺はと菓子を買ってくる」

「教科書は?」

「買ったらすぐ行くから、先行っててくれ」

「わかったわ」



じゃあな、と小さな妹を降ろし、手を繋いで去っていく友人を見ながらリリーが言う。



が杖を買うのはあと六年後ね」

「その時僕達は二十三歳? どうなっているのかな」

「それは勿論、僕とリリーは幸せな家庭を築いてるに決まってるさ!」

「あら、いやだわジェームズったら・・」

「ねえ君達置いて行くよ」



そんな会話をしながら、人ごみに消えていく三人。

その三人をたまたま見かけたその人は苦々しく言葉を吐いた。



「何でよりによってあの三人がいるんだ・・・ブラックもいるんじゃないのか?」













「あ、いたいた。もう皆買ったのか?」



両手に似合わないお菓子が詰まった袋を持って、シリウスがジェームズたちと本屋で合流する。

シリウスが持つと大量なバレンタインかそのお返しを彷彿とさせる。



「ほとんどね。 シリウス、貴方も早く買ってきなさいよ」

「僕らがを見ててあげるから」

「ああ、じゃあまかせ・・・・・・   あれ?」

「ちょっとシリウス。 君、はどうしたの?」



シリウスが慌ててあたりを見渡す。自分の隣にいるはずの小さな姿がない。

この人ごみの中、あの小さな影は余計にわからない。



「さ、さっきまで居たのに!」

「この馬鹿犬!ちゃんと見てなさいよ!」

「怒ってる場合じゃないよ、リリー。を探さなきゃ」

「そうだよリリー。シリウス、お菓子買った時は居たんだよね?」

「ああ、俺の服の袖握ってついてきてた」

「じゃあ途中ではぐれたんだわ・・・! 早く探さなくちゃ!」













シリウス達が慌てて本屋からバラバラに出たその頃。



「どうしよう・・・」



ぞろぞろと行きかう人を見ながら、は不安そうに呟いた。

店のディスプレイに気をとられて、気づいたときには兄はいなくなっていた。

慌てて辺りを見るが、兄の姿は見えない。



「ふ・・・ 、っ」



ゆらり、と涙で視界が揺れる。

その揺れた視界の中で、見覚えのある黒髪が目の前を通る。慌ててその黒髪を追い、後ろから抱きついた。



「おにいちゃっ・・・・・、あれ?」

「・・・・・・・・・何だ、貴様」



振り返ったのは、眉間にしわを寄せた知らない人だった。







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まさかの5歳ヒロインでごめんなさいキャラ崩壊とかごめんなさい(今更)
シリーズ進むごとに成長しますので!

後編へ続きます。