「帰ってくるって言ったくせに」 目の前の石にそう話しかける。 石は当たり前のように動かなくて、添えている花が風にゆらゆらと相槌の様に揺れた。 「帰ってきたと思ったらまた居なくなっちゃうなんて、酷いわ」 そう言ってしゃがんで彫られた名前を見つめる。 風が頬をなでる。 「もう今回ばかりは本当に、他の人と浮気しちゃうわよ」 そう言って"彼"に触れる。 ひんやりとした冷たさが肌に伝わる。 「・・なんで、っ」 声がのどで詰まる。目を閉じる。彼を思い出す。 愛しい愛しい、もう逢えない人を。 「───なあ、」 「なあに」 「また俺様が居なくなったらどうする」 「何言ってるのよ」 「仮にだ」 「・・他の人と浮気するわ」 「酷いな、待っててくれないのか」 「先に14年も待たせたのは誰よ」 「それもそうだな。二度目はそうか・・ないのか」 「何よ、寂しいの?」 「まあな」 「・・・・珍しく素直ね、どうしたのよ」 「いいや、別に」 「・・・・・・ヴォルデモート?」 「なあ、 頼みがある」 「なあに?」 風が吹く。華が揺れる。視界が揺れる。 彼の声が響く。 「愛してる、 」 追憶 (待ってて、なんて 出来もしない約束させないでよ) (何処で待ってたらいいのか教えてよ) 「愛してる、 ヴォルデモート」 ++++++++++++++++++++++++ もういろいろもう・・・Junkだしいいや。← |