「いっやー こうも二人きりだと何か良いねー」

「せんせー セクハラって知ってますかー」







黙々と居残りプリントを片付けながら目の前の先生、という名のロリコン および変態に言う。



「セクハラとは失礼な。 触ってませんー」
「セクハラは言葉でも成り立つんですー。 てゆか先生近いですー」


そういいながら顔を上げると、それこそ至近距離に銀髪パーマの顔が。

坂田氏は顔を上げてくれたのが嬉しいのか何なのか、頬を緩めそりゃあもう幸せそうに話す。




「近い? え、心が? 先生嬉しいなー」

「ふざけるのもいい加減にしやがれです先生」

「あ、違った? えっ、誓い? そっち? わあどうしよう逆プロポーズ? びっくりだけど先生構わないよ!」

「大事なもの使い物にならないほど蹴飛ばされたいんですか先生?」





笑ってそういうと、坂田氏はしぶしぶというようにもうひとつ向こうの椅子に座る。



「相変わらずクールだねえ」
「平常といってください」
「でも先生は君のそんなツンデレなところも愛してるよー」
「先生マジで教育委員会訴えますよ」
「わかりましたよ」




ふー、と堂々と生徒の前でタバコをふかす教師。

よく教師になれたもんだ、と感心する。





「君はあれだよ、そんなに先生が嫌いかね」
「嫌いとか言う前に質問内容おかしいです先生」
「普通さ、少女マンガみたいな先生と生徒のいけない恋とか憧れない?」
「だからそれマジでセクハラですよ先生」
「先生のこと嫌いか?」
「はい、プリント終わりました」


先生が最後に言った言葉は無視して、目の前にできたプリントを突き出す。


先生はちょっと拗ねた様な顔をしてからそれを受け取った。



「じゃあ帰りますんで」
「 ああ、気をつけてな」



カラ、とドアを開け先生の方を振り返る。

真面目にさっき私から受け取ったプリントの丸付けをしていた。




「あと、さっきの質問の答えですけど」
「? は?」


ペンを動かしたまま、先生は答える。









「卒業したらきっと、好きになります 先生のこと」









「はいさよなら・・・・・・・・  、え」




カラ、と音が響く。


出てきた教室から、暫くの沈黙と、嬉しそうな声と、ああペン折れた、という叫びが聞こえた。



Teacher
(明日から学校どうしようかな)





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銀八先生。 短編とは間逆なギャグでしかも両思いネタ。