「あっ 銀時せんぱーい」


靴を履き替えていたら声をかけられた。

振り向くと、後輩がにこにこしながら立っていた。


「なんだ。 お前なんでこんな時間に居るの」

「部活ですよー。 先輩も遅いですよね、先輩部活入ってました?」

「いや? 俺はただちょっと、先生に授業をだな」

「ああ、補修ってやつですか」

「悪いかよ」


いいえ別に、と笑ったのを見て自分もつられる。

俺が口をもごもごさせてるのに気がついたらしい。

ちょっと見つめてから、期待のこもった声で目の前の年下は言う。


「先輩、 何食べてるんですか」

「・・・・・・・・・・・・ 飴玉」

「ください」


即答だった。 こいつすげぇ。

銀時先輩ていつも甘いもの持ってますね、とかいいながら手を差し出してきた。


「・・・飴欲しいのか」

「はい」

「・・・・・・・欲しい?」

「何ですかなにやらす気ですかお金持ってないですよ」

「俺に告白してみ」

「先輩馬鹿ですか?」


即答だった。 こいつひでぇ。

相変わらず手を差し伸べたまま笑う彼女に、思わず自分で苦笑する。

年下に負けてる自分が悔しい。



「銀時先輩 好きです、 とっても」



ふいにそんな言葉が耳を通ってきたから、思わず目を開く。

そしたら言ったら本人は俺の反応をみてきょとんとしていた。

首をかしげて、 先輩?と言った。

外から漏れる夕日に顔が照らされて いて。

綺麗だと  思っ、た。


「・・・・・・・・・ おま、え 」

「・・・・・ はい」

「 ・・・好きってお前」

「だってじゃないと飴くれないって銀時先輩が」


やっぱこいつひでぇ。

と、言った自分で思った。

でもなんだ、何で俺は笑ってるんだ。


───何で、 そういうつもりじゃなくても喜んでるんだ。



約束どおり飴をあげてそれを嬉しそうに食べる後輩を見て、先輩のくせに俺は 弱ぇなあ、と思った。

暮れ時、靴箱前。
(今度はいっそ。  口移しでもしてやろうか 、)








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銀時先輩。

あっ・・・・ 白亜「銀八」じゃなくて「銀時」書いたことあったんだ・・・(おまえ
いやでもこれパロだしな・・・ 「万事屋銀ちゃん」は難しいんですよ。 主に設定が。