ー ご飯はー?」



教室を出て廊下を登ろうとしたとき、友達数人に声を掛けられる。





「今日は一人で屋上で食べるー!」



そういえば、皆納得したように手を振った。



「あー、今日は屋上の日か」

「うん てことでばいばーい」



手を振り替えして、は階段を駆け上がる。

















































「うー いい天気! ご飯日和だー」





屋上のドアを開け、上を見上げながらは言う。









週に一回、は良く晴れた日は屋上で昼ご飯を食べる。

友達との時が多いが、





「今日は一人の気分だったんだよね」









そういいながら、いつもの特等席に歩く。

日陰になっていて、座ったら空が一望できる場所があるのだ。















「ふっふっふー・・・・・・ あれ?」







特等席に言って、は立ち止まる。



誰かが横になっている。

というか只今お昼寝中らしい。









「誰だろ この特等席を知ってるとは中々ツウな人だよね・・・ って、ゲっ!」









そーっとその人を観察して、は思わず顔を歪める。



目に入ったのは、風紀の文字。



 







「・・・じゃあこの髪型は  委員長?!」













自分とは反対の方向を向いて寝ているので顔が見えないが、此処に寝ているのは間違いなく委員長だろう。


あの 雲雀 恭弥できっと間違いない。







うっかり起こして殺される、なんて事だけはカンベンしたい。









「ちぇ、しょうがない今日は他の場所で───」





















「・・・・・・・・  誰」

























後ろを向いた瞬間、声が聞こえた。

声が声だけに、は体が凍りつくのを感じた。





今すぐダッシュでこの場から逃げたい。

しかし足が動かないのは後ろから放たれる不機嫌オーラのせいなのだろうか。









「聞いてるの? 誰」











ぎぎぎ、と音が鳴りそうな首を回して声のするほうを向く。







「あー・・・その、おはようございます、ヒバリさん。」







振り向くと、雲雀は仰向けで寝転んだままこちらを見ていた。





「あのー・・・ 起こしちゃいましたか」

「・・・ ふあ」









あくびじゃなくて質問に答えろ。









「あー・・・えっと 起こしたなら謝りますすいません」

「別に」









何だこいつ 何だこいつ











「・・・何」



相変わらず仰向けになったまま、雲雀はまだ眠そうに言う。





「え? 何って」

「何か用なの」

「えっ いえ、そのお昼ここで食べようと思ってきたんですけど ここ使ってるみたいなんで場所変えようと思って」

「そう」





もう一度あくびをする雲雀。









いや、 そう って返されても私はいったいどうすれば。









とりあえず移動しよう。







「じゃ、失礼しまし・・・」

「何処行くの」

「は? いや移動を・・・」

「誰が居ちゃいけないって言った?」

「え・・・でも眠そうじゃないですか」

「僕が言った?」

「いえだから・・・」











「ここに居るの、居ないの どっち」











「居させて頂きます」


今の声は脅しだ。 脅しに違いない。












あの雲雀 恭弥の隣で私は今日、お昼を全部食べれるだろうか。





 

 

 







「後さ、君 名前は」

ですけど」







後で噛み殺すとか言われたら逃げよう。








「君いつもここに居るの?」

「え? 週一くらいですけど」

「そう。 じゃあ毎日ね」

「はい?」





隣で座ってご飯を食べるを見ながら言う。






「毎日とはどういう意味ですか」

「それ、自分で作ってるの?」

「あの質問に答えてください」

「作ったの?」

「ええお弁当は自分で作ってますけど」







もう何だこいつ。











「じゃあそれ僕にも作ってきてね よろしく」

「はぁい?!」

「だから、毎日此処に来るついでに作ってきて」

「え? 毎日此処に来るの決定形ですか」

「よろしく」

「あのっ ちょっとヒバリさーん?!」







毎日此処に来て弁当を渡せという事かい?!









「雨の日は応接室だからね」









決定ですか。















 



「・・・食べたいんですか私のお弁当」

「駄目なの?」

「いいですけど、質問に答えてくれませんか」

「食べたい」








は隣を見る。

雲雀はこちらを見ていた。






「・・・え 」

「聞かれたから答えたんだけど。 食べたい」

「・・・はい」

「作ってきてくれる?」



























きゅん。































えっ 今の何。



『きゅん』って言った?!

















「作ってきてくれる?」




「・・・・・・・はい」







 







はまさか、と心の中で呟く。

ときめいた? 今ときめいた?









そういえば真正面で近くで顔見たの始めてかも。

怖いけど結構いい人かも。









いやいやだから、 ときめいたのか自分?









 





「え、と 好き嫌いあれば考えますけど」

「別にないよ」

「そうですか。 量は?」

「君のより少し多め」

「そうですか」





 

 



何コレ 愛妻みたいじゃない?

って何を考えてるんだ自分!

 

 









「からあげ」



「・・・食べたいんですか? どうぞ」



はい、とからあげをお箸でつまんで雲雀に渡す。

雲雀はそれを口に入れる。









 

 



何だ今の。




『はい、あーんv』




みたいだった? 何してるんだろう自分。





 

 









「これ絶対明日入れてきて」

「え、 はい」







もぐもぐと口を動かしながら雲雀は再び横になる。


思わずは頬が緩んだのを感じる。









「何がおかしいの」

「いや、ヒバリさん猫みたいで可愛いなーって・・・  ! いや悪いつもりじゃないですよ!」





自分で今言ったことに驚く

雲雀は「猫?」と言いながらを見てふうん、と言った。







「(殺されなかった・・・!) じゃあ明日入れてきます」

「うん」





















 







明日からお弁当を二つ作らなくなってしまった。

ときめきとかもそんなのは、 あまり深く考えないようにしよう。







とりあえず、屋上仲間が増えたし 楽しそうなので良しとする。











































「スカート短い」





もうすぐ昼休みも終わるので立ち上がって帰ろうとしたら、雲雀に注意される。

5時間目はサボるのだろうかこの人は。







「え?」

「短い」

「え、あ はい・・・?」







さすが風紀、そういうところはきちんとせねばならないのか。





少し関心しながら立っていると、雲雀は続ける。











「あのさ、言ってる意味分かる?」

「へ? 短いんでしょう? 後で直しますよ?」

「今直したほうが言いと思うけど」

「何でですか」



「さっきから見えてる」



「は? 何が?」









雲雀はのスカート部分を指差す。

は雲雀が指差す方向に目を向ける。















「さっきから、わざと見せてる? 下着」

 









 

 

 











「!!!!!!!!!!!!!!!」























 





はばっとその場に座り込む。



しまった、今日下に短パンはくの忘れてた・・・!





というか、









「最初っから見えてたんですか・・・・・・・!!!」

「うん」

「何でっ・・・ 言うのもっと普通最初でしょう!」





顔を赤くしながらが言うと、雲雀は相変わらず仰向けでを見ながら言った。

いたって平然としながら目の前の変態は言った。















 

 

 

 







「別に悪い絵じゃなかったしね」



 

 

 

 

 





「っせくはらぁぁあぁぁぁぁあ─────!!!!」







ばっしーん、と乾いた音が屋上に響いた。



























屋上ロマンス

「・・・まだ頬痛いんだけど」

「知りません! 見てた分お金取りたい気分ですよ!」

「寝てるの起こしたじゃないか。 それが対価だと思ったんだよ」

「そんなふしだらな対価誰が払いますか!」

「あー 痛い」

「全部チャラですさっきので! そんなん言ったらもうお弁当作ってきませんよ!」

「それは嫌」

「(きゅん)  っじゃなぁぁあああい!!!」

                                               (ああ 空が青い、)































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なんだろうこれ。

ほの、ぼの なの か・・・? 違う気がする



とりあえずナチュラルに変態なヒバリ。

とりあえずヒロインちゃんが好きなヒバリ。

とりあえずヒバリを好きになりそうなヒロイン。(黙